「足尾VSラニャーニャ」
・ラニャーニャと足尾の違い
・世界選で学んだことを、足尾フライヤーにフィードバック
・世界に追いつくために足尾でもできること(心構え・練習法など?)
・今後世界を目指す若者へのメッセージ
・楽しかった/悔しかったエピソード
・家庭/仕事/ハングを両立させて世界選にいくためには?
こんな感じで書いてくださいとチャッキーからメールが来た。
えーっと、「ラニャーニャ」ではなく「ララーニャ」なんだけどね!!
「足尾VSララーニャ」こんなイメージでと言われても、「ちょっとちょっと〜!」
ってな感じですが・・・、また無理難題を!
まぁ、感じたままに書いてみましょう!
ララーニャの素直な感想は「すばらしい!」、この一言に尽きるかな。
今まで海外で行ったエリア(まぁ数えるほどしかないけど)で1番良いかな〜。
山のエリアですから基本的な飛び方は足尾と変わりない。
変わらないなんて言うと「なんだ〜!」になってしまいますかね。
「じゃあなんですばらしいの?」なんて聞かれそうですが・・・。
ほとんどの山は岩山、絶壁、中には普通の小山も。そして谷は細く深い谷から、広い谷、山の奥に入り込めば、険しく降りる所の無いエリアも多々。
2000mを越える山の絶壁リッヂ、渋々の絶壁すれすれソアリング、裏にこぼれてみれば「ゲゲ、降りるとこね〜!」なんてことも。
どうです笑いが出ちゃうほど楽しそうでしょう?
本当に色んなバリエーションのタスクが組めます。
何よりサーマルがしっかりしているので降りるという気持ちは起きてこない、すばらしいじゃないですか〜!
ね!?
「降りる気持ちが起きないのにゴール少ないじゃん!」
あいたたたたたた・・・・・・・・・。
確かに!
2発は失敗しましたね。
まぁ、何処でもそうですが、風の流れを読み違えると上がらないものです・・・。
あとはファイナルまでは切っているんですよ、でもシンク(辛苦)帯にしっかりやられてしまいましたが。
シンク帯、うーーーん!?
でも何か普通のサーマルの周りにあるシンク帯というより、下降気流帯という感じがしましたね。タスクの後半になると、段々強く感じるようになってきました。どこを要因に発生している下降気流帯なのかがはっきりとはわからなかったんだけど、その辺の整理がもう少し出来ていると展開を帰られると思うし、他のエリアでも使える知識になってくると思います。
こればかりは数飛んで経験値を上げないと、なかなか難しい部分かな〜。(言い訳)
山のエリアの基本は「谷を渡った先で山のトップ以上につけるようにしっかり上げて走る」これに尽きますよね、これ基本中の基本でしょう!?
太田君も言っていました、「ララーニャでは山のトップ以下につけるときついですよ」と。
これは足尾にも当然言えることです、でも足尾の場合は山もありますが平野の要素が多く含まれているので多少下がったとしてもリカバリーは比較的容易に出来ます、その点がララーニャと大きく違うかな。
ララーニャは山というより谷のエリア、山では+5のサーマルでも谷を渡るときには−5なんていうシンクは当たり前、トップにつければまた+5のサーマルが待っていますが、下につけると有っても渋かったり荒れていたり流されていたり、かなりロスします。風を間違えればあっという間に地上の人です・・・。(でした・・・)
その辺がはっきりしていたなララーニャは、だから逆に飛びやすかった。
ゲーグルで多少遅れても、しっかり上げて行った方が後々得することが多かった、これはそのせいなんでしょうね。その辺は上げが下手な私にはいい方向に働いたのかもしれない。
サーマルは+5と言っても、なかなか安定した+5なんていうのは存在しなかった。それは山の(岩の)形状や風の流れによるものだけど、俗に言う荒れたサーマルという感じがぴった
りな感じ。場所によっては「ふふふーーーん♪」なんて鼻歌歌いながらでも上がる安定したものもあったけど・・・。
その点和田君なんかは「いやー、岩屋のサーマルに似てますよ〜!」なんて余裕でしたが、その余裕がきっと上げ負けずマンフレットにもデイリーで勝つ飛びを生んだんだろうなー!
私なんかは結構必死でしたが・・・。
足尾は本当にいいエリアですよ、サーマルはそんなに荒れることなく、平野あり山あり、降りるところ沢山あるし、でも、ある意味その安定しているところが、今回のララーニャでは少しマイナスに出たかもしれない。サーマルガッツンガッツンだったから。こういう部分で経験というものが生きてくるんだね。
ララーニャですいすい上げるためには岩屋で飛ぼう!
ぷーさん(別名カンフーパンダ)がやさしく教えてくれるよ!(たぶん)
世界選手権、これで3度目だけど毎回思うことは上位陣の基礎技術の高さかな。
これはそれだけ時間を飛んでいるからなんだけど、テイクオフは別として、ソアリングにしろランディングにしろ、上位陣は本当に上手い、これって基礎技術なんだよね。
今回2位だったジョンなんか、大会中にビデオ撮ってたしね、手で持って!
今回は上げにはある程度自信を持って行ったけど、あの荒れたサーマルでは上げ遅れていたし、多少なりともサーマルに集中してしまった時もあった、大体そういう時はそのあとの展開は難しくなることが多いよね。
余裕が無い時というのはそういうものです。
まぁ、たまにノーズが下向いて降るようなときに他の事考える余裕が無いのは当たり前と言えば当たり前なのかもしれないけど、でもそうならないためのコントロールと知識が少々足りなかったんだろうなぁ。
前からの課題だけど、前よりはよくなっているけどなかなか追いつききれない部分。
これは飛び始めた頃の本当に基礎を体に叩き込む部分でちゃんと出来なかったつけが今出てきているような気がする。
どんな条件下でも同じように上がれれば、展開はものすごく楽になる、それはこの6年間で世界が近づいたように感じる自分で証明できたかと思う。
まだまだこの部分詰めていける部分はあるし上にもいける感じは持ててる。
でも基礎だけでは当然勝てるわけが無い、いいとこ30位に手が届くかな?そこからは知識、判断力、そして心になってくると思います。
今回の世界選手権でよく一緒に飛んだのがアンドレアスという選手。
オーストラリアに行き始めた頃から知っている選手で、マンフレットのようにずば抜けている訳ではないけど確実にゴールを決めてくる。
最終レグのはじめまでは一緒、その時には私の方が上なんだけど、なぜか最後の最後に私はショート、彼はゴールと言うのが2本、この差なんだね。なぜかって言うのはおかしいな、ショートして降りてから考えると、あそこでもう少しって考えられることを彼は確実にその場でやっているということ。考えれば難しいことではないんだけど、なぜ私はその場で出来なくて彼はその場で出来たのか、それが私と世界の差の部分。彼は15位、私は47位、小さい差に見えるけど大きな差になって現れている。
私が次に目指していく部分はこの部分かな。今、頭の中で世界選手権の最終レグを何度も何度も反芻して整理してます。当然、途中のレグも問題は有るけど、一歩一歩しか進めないから。ものにしてフィードバックしていきます。
まだまだ条件の組み合わせも足りないんだろうなぁ!
前にブログでも書いたけど、ご飯の炊き方と一緒だって、「はじめチョロチョロ中ぱっぱ、赤子泣いても蓋取るな!」この最後の部分、どうしても焦りや時間を気にする部分になります。ここでしっかり考えられる事が必要って書いたはずなのに、自分でもまだまだ駄目でした、世界選手権という場面、ララーニャというエリアでは。
たぶん今回の参加した選手で世界との差がとてつもなく大きいと感じた人はいないと思う。
小さい小さい差、その積み重ねが最後の順位、如何に積み木を積み上げるか部品は似たようなものなんだけどその積み方に差が有るんだね。
フィードバック、一言で言えば簡単なんだけどそれをどう表し、どう伝えていくか、おバカな私には難しいところではあります。私はどうも具体的に話していくのが苦手なものですから、あれをこれをという上手な伝え方が出来ません、そして飲み込みも遅いのですぐにみんなにフィードバックが出来ません、その方法もきっと言葉ではなく飛びでしか表せないと思います。なので空で見つけたらお見逃しのない様にお願いします。
世界選手権てたいしたこと無いじゃん!ってここまで読んでると思われちゃうかな?
そう、たいしたこと無いと思います、でも世界一になることはものすごくたいした事です。
足尾でしっかり飛べるようになれば、世界でも通用します、元気君が証明したでしょ!?
それほど足尾はいいエリアです。でも、世界一になるのは足尾だけでは無理、これははっきり言って良いです。
じゃあ何処までと言われても、それは分かりませんが・・・。
でもでも、できる事は沢山あると思います。
元気君は今回が初海外エリア、それでもいい飛びをしていました。日本では大門さんも認めるほどの上げの名手、そしてグライドに関しても思い切りがいいし、判断もいい。これってしっかり足尾で鍛えてきた部分だよね。個人で、そしてWeLAという素晴らしい仲間たちで比べる、競える、考え合える、そんな事が出来ているからみんなの相乗効果でどんどん伸びているのだろうと思います。
さて、じゃあまず何から?
そうそう、私は常々基本と言っておりますが、これから世界を目指すのであればテイクオフ、ランディングは大丈夫ですか?ピッチ、ちゃんと出来てますか。
上げる事、長く飛ぶ事は大事ですが、一本一本で必ずあるテイクオフとランディング、これについて必ず考えて集中して、色んな風に対してどうすれば正しく気体は動いてくれるのかを考えて飛んでください、ここが上手になる第一歩です。
そこがなぁなぁだとすべての飛びがなぁなぁになります。
たとえ5分のぶっ飛びでも、何か一つでも得られるように常に一本の飛びに目標を持って、そして飛んだ後は復習をしてほしいと思います。そしてまた次の飛びへの目標をもって。
みんなはそれがどれだけ出来ていますか?
それがしっかり出来たなら、あとは上げて、走るだけ、経験と知識の勝負です。そうなったらどんどん世界に打って出ていけます。まずは土台をしっかりとするところ、これを足尾で日本で身に着けてください。そして大門さんや元気君、何より足尾には板垣さんと言う大きな目標がいます、そこをドツキ、あ、いやいや突付きまくってどんどん吸収してください。
一本についてどこまで考えられたか、その小さい小さい差が、後で大きな差になってきます。
そして、上手な人、一緒に飛んだ人を見つけてどんどん聞く、「あそこでどうだった?」、そこでどんどん色んな感覚に気がつくはずです。受身では勿体無いですよ。
世界を目指すなら、貪欲に行きましょう!
上げに関してもグライドに関しても、その場その場でチャレンジをしてみる事、試してみる事、普段の飛びは練習と思ってチャレンジする事で飛びのレパートリーが増えていきます。
その条件にあった上げ方、走り方が見えてくると思います。
上手な方たちは常に考えていますよ!
多くの事は一度には手に入らないから、小さい事を一つ一つです。
今回の世界選手権日本代表、5人中3人がサラリーマンというこれまでにない構成でした。2人は初めての世界選手権、それも3週間と言う長丁場、よく休めたなぁと思います。本当に会社の、そして会社の人の理解がないと出来ませんよね。
家庭や仕事とハングの両立と言うのはとても難しいです。
私も会社を「ハングをやるので辞めます!」と3年でやめた人間です。
その後はバイトしたりしてハングを続けてきましたが、さすがに30歳過ぎには安定もほしくなりましたね。私は凄く恵まれていると思いますが、会社がとても私のハングに対する
ところを理解してくれています。世界選手権やハングの修行でも長期休暇は早めに言えばとらせてもらえるような契約で正社員としてやらせていただいています。
だからと言うわけではないですが、その分頑張ろうという気になりますよね。
どっちが先に立つかは分かりませんが、その時々をしっかりやる事で得られた結果だと思います。自分がこれだけやりたいと思っている、やっていると言う事をしっかり伝える事、でもハングがない時はしっかり働く事、そういうメリハリが周りの理解を得るには大事なのかもしれません。応援してもらえればハングの方にも力が入りますしね。変な成績取れないですよ、見られてますから。会社の人、意外と見ているんですよね。
会社もそうですが、家庭のほうがもっと大事、そしてこっちの方が難しいかもしれないですね。お金の事もあるし、子供の事もあるし。
でもね、やっぱりハングも家庭も本気で頑張る事ですよね。
だから、飛べない時期もあるかもしれないけど、でもハングと同じくらい真剣にならないと。
ハングと仕事と家庭、まぁ一番大切なのは家庭ですが、頑張ると言う点ではどれも一緒なのかもしれないですね、どれもその時その時で真剣に、後はバランスとって。でないと「遊んでばっかり!」って思われちゃいますからね。飛ぶ時間が減るのは悩みの種と言えるけど、その分飛べるときにしっかり集中できるからいいのかもしれない。なにより条件のいい日にだけ行くようになるから経済的にもいいしね。
でもやっぱり山にいるのが一番落ち着くきがする、あんまり長い間行かないと、家でもイライラしたりして、そんな時の週末は追い出されます。
まぁ、これもまた一つの手かな・・・・(内緒!)
人それぞれ色んなやり方はあるのだろうけど、「やる事はやる!」これは共通しているんじゃないかな。
世界選手権、行くのも戦うのも大変だけど、でも何より飛ぶのが楽しい。
あの人たちと飛ぶと、本当に飛ぶのが楽しくなる。
絶対に経験してほしい舞台です。
本気になれば誰にでも行ける可能性はあります、だから普段を大切にしてほしいと思います。
「一つ一つ」を大事にしながら。
そして何より続ける事が大事、「継続は力なり」。
いつか金メダルを日本に持ち帰りましょう!
でも、私もまだまだ行きたいので、私もかなり頑張るつもりです。
体力づくりも負けないように!